朝  茶

 

今年も京都は雨が降り続くでもなく早めの夏を迎えております、それでもこの時期は強い雨が降り出しますと、

 

天気雲が穏やかに過ぎ行き、各地に爪痕を残さぬようにと祈るような気持ちになります。

 

 

 

本日は茶事七式の一つ「朝茶」についてです。

 

「朝茶」とは七月、八月の酷暑の時節に、早朝六時~七時頃までの涼しいうちに客を招いて催す茶会で、

 

「朝会」「朝の茶」などとも云われます、盛夏の茶会は「朝茶」が中心です。

 

亭主は早朝の清涼に合わせ、道具・料理・打ち水・茶花などの全てに、涼しげな趣向を凝らします。

 

懐石は、向付に生魚を避け、焼き物を省いた一汁二菜が基本で、代わりに香の物に青竹の箸を添えた鉢が早くに出ます。

 

早朝に新鮮な魚を手に入れるのは難しかったため、今でも朝茶の懐石は基本的には宵越しの材料を用い、涼を誘う献立に心を配ります。

 

 

 

利休の時代は茶会といえば季節を問わず「朝茶」が中心で、「朝茶」が酷暑の茶会となったのは、元禄・享保の時代と云われています。

 

茶事の流れは、釜に清新なる朝の水をつぎ、「初炭」、「懐石」、「菓子・中立ち」、「濃茶・続き薄茶」という順に、

 

「後炭」を省いて、濃茶と薄茶を続けて点て、流れる様に進めることを身上とされます。

 

 

 

旬眞庵では八月の末日までは「朝茶」の茶懐石をお料理としてご提供いたしております。

 

早朝ではなく、正午の刻でのご提供となります、お近くにお越しの節はお気軽にお立ち寄りください。